会長ブログ
靴下や衣料に使用する繊維の話。【和紙糸】 Vol.7
2019-10-27
カテゴリ:新製品開発
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今日も奈良の小さな靴下工場の有限会社巽繊維工業所の社長ブログを拝見いただき、誠にありがとうございます。心より感謝申し上げます。
今日のブログの内容は、靴下を編み立てするときに使用する素材である繊維の話の続き「Vol.7」です。和紙からできた糸の話です。
和紙は通常、コウゾやミツマタの木の雁皮(ガンピ)の靭皮(植物の外皮の内側にある柔らかな内皮)を原料にします。しかし、和紙糸の原料は、エクアドルなどで栽培されたマニラ麻を機械で漉いて、1.0~2.0mm幅に裁断します。その1本の全長は6,600mにもなります。
そして、その細い紙の短冊をゆっくり時間をかけて、「撚糸」と言われる一方向にネジリを加えます。その後、再度別の方向へネジリを加える作業を複数回繰り返します。その結果、和紙糸に柔軟性がでることになります。
和紙糸は、綿糸と同じく植物繊維のためセルロースから出来ています。その和紙糸の機能は、繊維の表面に小さな穴が無数に開いた多孔質から出来ており、吸湿性に優れています。また、臭いも吸収する消臭効果も持ち、3日間履き続けても無臭とのことで、JAXAが採用し、日本人女性宇宙飛行士の山崎直子さんが和紙でできた靴下を3足宇宙へ持って行っていきました。