会長ブログ
お前の会社には、コンプライアンスなんかないねやろ?
2022-03-22
カテゴリ:独自のこだわり
重要
得意先の仕入担当者に言われた言葉です。
奈良県の小さな靴下工場、有限会社 巽繊維工業所の代表の巽(たつみ)です。
私どものブログを今日も拝見いただき、本当にありがとうございます。心より感謝を申し上げます
今日のブログは、コンプライアンスです。
得意先の仕入れ担当者のA様から先週、『当社は、コンプライアンスがシッカリした会社やねん。お前の会社にはコンプライアンスなんかないねやろ。』と大阪弁ですごまれました。
『お客様は、神様やゾ。神様の言う事は絶対命令やゾ。』とも・・・
その事の発端は、A様からQCD(品質、価格、納期)全てに無理難題な試作品の作成依頼がありました。
無理難題の依頼でも、絶対命令です。
交渉を何度も続けましたが最終的に『その条件では、ちょっと当社では無理です。試作や量産が出来そうにありません。』と依頼通りにできないと伝えたのが原因でした。
試作や量産には、原材料の調達、編立、縫製、プリント、刺繍、セット、検査、梱包と靴下の製造には多くの工程があり、
そして、全ての各工程の多くの人手や培ってきた技術を結集して、製品は作られています。
今までは、得意先の命令には『しかし~、でも~』と言い訳は絶対に許されず、その各工程の多くの人々が汗をかいて、走り回って、頭を下げまくって、何とかして、アナログのローテクで帳尻だけは合わせてきました。
例えるなら、一歩を踏み外せば、奈落の底に落ちる綱渡りをしているような感覚でした。
従業員やアトツギ娘には、経験させたくない「仕事」でした。
しかし、繊維業界では数年前に既に限界に達していました。
そして、今回のコロナ禍で、原材料の遅延や高騰、それ以外の製造や物流等の全てのコストが高騰しており、
A様の命令通りの条件では、QCDを維持しながら製造が出来ないようになってしまっていました。
当社には、コンプライアンスなんか必要ない。当社には、義理・人情・浪花節ならあるゾ。