会長ブログ
ソックスを編む時に使用する原糸 FTYとは、
2019-09-13
カテゴリ:新製品開発
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今日も社長ブログを拝見いただき、誠に有り難うございます。心より感謝を申し上げます。
本日のブログは、ソックスを製造する時に使用する原糸の説明をします。
裏糸(うらいと)と呼ばれる原材料の糸です。
別名は、F・T・Y(Fitting Yarn)=(体にフィットさせるために、編み物・織物に用いる原糸)、弾性糸とも呼ばれる原糸です。
このFTYは、2種類の糸で構成されています。
「ポリウレタン」と呼ばれる、伸びても元通りに縮む特性を持つ糸を芯糸にして、その芯になる糸をカバーして覆うように染色された「ポリエステル」もしくは「ナイロン」が巻きつけてあります。
巻きつける方向もあります。
通常は、S撚りです。
裏糸製造メーカーにより、Z撚りの会社もありましたが、現在はほとんどS撚りになりました。
その理由は、FTY糸はソックスを編む時には、表糸(おもていと)に色を合わせて使用します。しかし、表糸は、Z撚りで作られています。Z撚りの表糸とZ撚りの裏糸を使用して編むと、出来てきた製品は見事にzの方向にネジレ(斜行と言います。)て出来てきます。見た目も良くなく、昔の軍足と呼ばれた低価格のソックスがネジレていたことをご記憶されている方も多いと思います。ただし、軍足にはFTYは使用されていないのですが、表糸のZ撚りがそのまま製品に反映されています。
裏ワザですが、z撚りになった製品を少しでも真っ直ぐにする「裏ワザ」があります。
蒸気でセットを行います。アルミの型板にそのネジレた製品を反対方向にネジってできるだけ真っ直ぐにして、120~140℃の水蒸気と圧力をかけます。
すると不思議なほど、真っ直ぐに製品が落ち着きます。
でも残念ながら、一度でも洗濯をすると・・・・元通り、ネジレた製品に逆戻りします。(T。T)
そのネジレ(斜行)が、製品におきないように、Z撚りの表糸を使用する場合は、S撚りの裏糸を使用して、相殺させているのです。
FTYには、芯糸に使うポリウレタンの太さの違いもあります。
20デニール・30デニールが一般的ですが、
スポーツ向けによりフィット性を高めたいときに40デニール。
関節サポーター等には、70デニール・140デニール・210デニールとどんどん「ゴム糸」に近づいて行くことになります。
そのため、裏糸を扱う専業メーカーの多くは、裏糸とゴム糸を同時に扱っています。