会長ブログ
当社の製品は、周回遅れを許しません。
2020-12-04
カテゴリ:新製品開発,製造技術,独自のこだわり
注目こだわり
外側のソックスが周回遅れにならない工夫を特別に施しています。
今日も奈良の小さな靴下工場の有限会社巽繊維工業所の社長ブログを拝見いただき、
いつもありがとうございます。心より感謝申し上げます。
本日の社長ブログの内容は、当社の製品の品質を上げるための独自のこだわった取り組みの一つをご紹介します。
ソックス2枚を一足に揃えることを『ペアリング』と業界用語で呼びます。そして、カカト部分にある編み目の線、業界用語『ゴアライン』を目安に二つ折りにして、一足に揃えます。
揃えた時につま先とゴム口にアルミでできた『パッカー』と呼ばれる金具で一足をずれない様に止めます。別名を『ソッパス』とも呼ばれる靴下業界特有の金具です。
ソックスを揃える向きも統一されており、二つ折りに揃えたソックスをゴム口を手前に持った時にカカトが左側に来るのが正しい揃え方になります。(左の写真をご参考にしてください。)
ペアリングするソックス左右の長さが全く同じだと・・・・
しかし、単純に思えるペアリング作業も熟練の技を要します。その理由は、ソックスの左右の丈の長さが全く同じ物をカカトで二つ折りにしてペアリングを行うと、必ず外側にくるソックスの方が短くなり周回遅れを起こして、ゴムの位置がズレてしまいます。
そこで!当社独自のこだわりとして、全く同じ丈の長さで製造した1ロットの製品を『セット工程』で半分は短く、半分は長くするために蒸気を当てて型を付けます。その差は、生地の厚さを考慮して、薄い製品は約5mm~厚い製品で約10mmの範囲で丈の長短の差を作っています。
勘の良い方は、気付かれていると思いますが、長い方を外側に短い方を内側にペアリングを行えば、周回遅れを起こさずにつま先とゴム口にパッカーをして綺麗にペアリングの完成品ができます。
でも、心配はしないでください。ソックスを置いた状態での丈の長短を故意に作りましたが、業界用語では『置き寸法』に長短が有っても、履いた時にの『伸び寸法』は統一して製造しているので、着用には全く支障はありません。一度着用してしまえば、置き寸法の違いは、ほとんど分からなくなり、洗濯でもすれば、全く同じ丈に戻ります。