代表 巽亮滋より募集を検討される皆様へ
一生懸命に働いてお互い助け合えるスタッフを募集しています。
「ものづくり」の繊維産業は、我が国の戦後の焼野原からの復興と高度経済成長に寄与し、靴下工場として数えきれない多くの苦難を乗り越え、100年近く製造を続けてきました。
そして、現在国内では斜陽産業と揶揄されますが、世界に視点を移すと繊維産業は、まだ成長産業であり、その可能性を信じ『靴下の世界を変える。靴下で世界を変える。』挑戦を私たちと一緒にしませんか?
当社は、従業員、仕入れ先、多くのお客様に支えられ、長年に渡り助けられてきました。
その多くのお客様には、ご恩返しの気持ちで去年よりは今年、昨日よりは今日と製造する製品を少しでも良くしたい、お役に立たせていただきたいという企業目的を持って企業活動をしてきました。
また、一緒に一生懸命に頑張ってくれる従業員には、『楽しく』働きたいを応援する待遇改善や社内改革も進めています。
当社の改善や改革もまだまだ不完全で、代表の私もお恥ずかしながら欠陥だらけのポンコツ人間です。人様に自慢できることや誇れることは何一つもありません。
ただ、従業員と一生懸命にお互い協力し合い創意工夫する事で、その多くの不完全さ・脆弱さ・不足する物・欠陥・弱点を補ってきました。
そして、いつも心がけていたのは2点のことでした。1点目は『少しでも楽しく仕事をしてもらうこと。』でした。言葉にするのはとても簡単ですが、これが一番大変だったかも知れません。仕事に追われ、時間に追われても助けてもらった時には一言の『ありがとう。』を直ぐに口にする事を全従業員が続けました。
もう1点は、現場や会社が荒まない様に従業員が見ていない出社前や休日に場所を一か所決めて徹底的に掃除を行いました。
当社の五本指靴下のご縁で親交を深めた尊敬する経営者の方から掃除の重要性を教えていただき『凡事徹底』と共に実行を続けてきました。
そのお陰で、何の根拠も無いのに『大丈夫。すぐ良くなる。』と考え、どんな些細な事にも『有難いな。ツイテるな。』と感謝をしてきました。
私は幼少より、会社が繁忙期になると滋賀県のおばあちゃんの家に預けられました。おばあちゃんは、近江商人の家系で躾けは厳しいのにいつも笑顔のとても優しい人でした。
友達と喧嘩して膝小僧を擦りむいて、泣きながら帰ってくると、ヨードチンキをタップリ膝に塗りながら『だんない。だんない。じきによーなる。こらえたってや。』(大丈夫。大丈夫。すぐ良くなる。怪我をさせた友達を許してあげてね。)
そのおばあちゃんのオマジナイが効いて、何故か不思議と痛みが和らぎ友達とも仲直りしていました。今は誰もオマジナイをしてくれないので、自分でオマジナイをしています。
当社は、国内製造業者であるため海外工場が生産を断った卸商社から要望される過剰品質・採算を度外視した納入価格・通常の生産工程では不可能な短納期納品の案件を掻き集めるようにして製造していました。
その様な無理難題の案件を休日返上や徹夜で走り回り、製造の各工程で頭を下げ続け、手を擦り合わせて頼み込んで、何とか品質・価格・納期の帳尻を合わせ続ける日々に企業存続への我慢に限界を感じていました。
その我慢を続けたのは、当社が製造した製品をお客様に届けるには、元請の卸商社や大都市圏に小売店舗を有する小売を必ず経由しなければならないジレンマがあるためでした。
そのため『当社には、無理です。できません。』と言えば楽になれるのですが、それは『当社には、売上は要りません。廃業します。』と同義語でした。
元号が昭和から平成になった頃に、日本経済のバブルが崩壊しました。その頃より、生産が海外に移行を始め、国内製造業者として、どんな施策を取っても売上高は毎年減少を続け、利益も出せず来年には売上高がゼロになる勢いでした。
その最悪の状況から脱却するために、オリンピックのゴールドメダリスト、アメリカのメジャーリーグで活躍した野球選手、プロゴルファー、マラソン選手等々のプロ~アマチュア選手のオリジナルソックスの開発。ルーズソックス、着圧ソックス、おやすみソックス、湯上りソックス、五本指ソックス等々の靴下業界というニッチで小さな市場で一大ブームを何度も起こしてきました。
テレビCMでお馴染みの全国展開する引越し会社や家電量販店の業務用のオリジナルソックス、超有名歌手の音楽フェスやコンサートのリストバンド等は靴下製造技術を転用して新市場を創出や革新的な展開をしてきましたが、それでも企業業績は下降し続けました。
その企業業績が、従業員達の自主的な一生懸命の頑張りと長女の巽美奈子が家業に従事したお陰で、2015年の年末より、奇跡的なV字回復を始めていたのです。
それでも市場環境が凄まじく厳しくなる中、2020年4月に新型コロナの蔓延で第一次緊急事態宣言が発令され、少し明るい未来が見えてきた当社の日常が突然奪われました。
奈良県の片田舎に所在する零細規模の下請靴下工場である当社にもコロナ禍は、容赦なく襲いかかりました。
原材料が手配済みの発注は、全てキャンセル。完成品の引取は、無期限延期。4月は年間でも一番売上高が大きくなる月でしたが、例年の2割以下まで激減し絶望しました。
自分たちの力だけで2ヶ月以内に例年の売上高まで、どんな手段を使っても回復できないと倒産する本当の意味での緊急事態でした。
ところが、次月よりWebで販売する自社ブランドの『GUTS-MAN(ガッツマン)』が爆発的に売れ出しました。
毎日入荷する手配済みの原材料を自社ブランドの新製品の製造に急遽切り替え、広報宣伝を目的にクラウドファンディングのMakuakeで自社ブランドのめっちゃ薄い腹巻の『ならまき』や『GUTS-MAN』の新製品プロジェクトを続けて開始しました。
突然、テレビ・ラジオ・情報誌・Webニュース・ランキングサイト・SNS等の拡散で当社製品群や片田舎の小さな靴下工場に取材・撮影・購入希望者が殺到する事態になりました。
下請工場時代には、一度も経験したことのない欠品・生産の遅延・ご注文品が出荷できない状況が数年に渡り続いております。
全従業員が全力で来る日も来る日も生産・検品・加工・出荷作業に追われ続けていますが、お客様からの膨れ続けるご要望やご期待の方が速く、追いつけない状況にあります。
日々、助けていただいている従業員やお客様にご恩返しをしようとしていたのに、また助けていただいています。
市場環境がますます厳しくなる中、お陰様で毎年増収増益を達成できています。靴下業界では、異例の事と心より感謝をしています。
また、一生懸命に頑張ってくれる従業員やご愛顧いただいているお客様にも、いつも心から感謝をしています。
そして、長女の巽美奈子に事業承継を予定しており、次の100年もお客様から1番に選んでいただける製品をお届けしていきたいと考えています。
次世代の私たちの企業目的に賛同してくれて、もうすぐ迎える次の100年も一生懸命にお互い助け合える従業員を募集しています。
代表取締役 巽 亮滋