第236 企業存続率とは?
2024-05-27
カテゴリ:独自のこだわり
重要
ほとんど奇跡です。
皆々様のお陰で頑張っている奈良県の小さな靴下工場、有限会社 巽繊維工業所の会長になった巽(たつみ)です。
「靴下の世界を変える。靴下で世界を変える。」を私たちのミッション(使命)と考えて本気で全力で日々頑張って新しい挑戦を続けています。
創意工夫と走り回ってスピードを上げて、片田舎の小さな靴下工場は存続をしていきます。
皆様の応援や声援をこれからもどうかよろしくお願いいたします。
また、私どものブログを今日も拝見いただき、本当にありがとうございます。心より感謝を申し上げます。
2024年の元日に能登半島地方を襲った大地震で被災された多くの皆さまに心よりお悔みとお見舞いを申し上げます。
今日のブログの内容は、企業存続率です。皆様は、ご存知でしょうか?
企業が創業してから、営業年数ごとにどれくらいの企業が生き残って存続できているかを調査した経営者なら絶対見たくない知りたくない厳しい数字です。
そして、日本国内の企業の99.7%が中小企業であり、現在336万社が存在すると言われています。
しかし、どの企業にも外から内から、上から下から、前から後ろから、毎日毎日多くの課題や問題が突然発生します。
経営資源が限られる企業が、その課題や問題が大きくならない内に経営者自身が課題を解決できなければ、生き残って存続もできません。
経営者は、本当に命懸けの綱渡りを24時間365日、終わりも無く何十年も続けている状況です。
そして、創業から・・・
1年後、生き残って存続できている企業存続率は60%と言われています。
創業した100社の企業のうち40社もの多くの企業が1年以内に消えて市場から退場するとても厳しい現実です。
業種ごとに存続率は相違すると思われます。
3年後の企業存続率は 40%
5年後の企業存続率は 15%
10年後の企業存続率は 5%
30年後の企業存続率は 2%
50年後に企業が存続して生き残っている割合は、0.7%という小数点以下の数字が調査結果として出ています。
100社が創業しても、50年以上は1社すらも生き残れない厳しい現実を数字が表現しています。
100社の10倍=1,000社がよ~いドンで創業し、その内のやっと7社だけが創業50周年のゴールを迎えられる企業に選出された事になります。
そして、創業100周年を迎えられる企業は、0.03%と言われています。
この調査数値が正しければ、
100社の100倍=10,000社が創業し、時代の荒波や艱難辛苦を乗り越え、その内のとても幸運な3社だけが生き残って存続できていることになります。
ほとんど奇跡です。
世界的にも長寿企業が飛びぬけて多い日本でも、存続して経営を続けることは、とても困難で厳しい状況にあります。
『斜陽産業と揶揄される繊維業界のニッチな靴下業界であり、奈良県という片田舎に立地する小さな靴下工場が何故存続できるのか?』
著名な大学教授の取材と調査を受けたこともあります。
Web上に公開されている論文です。
当社は、従業員・協力者・お客様の数えきれない多くの人々に恵まれ助けてもらって、背中を押して頂けたお陰で生き残る事ができ存続してきました。
今までも幸運の連続だったと会社の歴史を振り返っています。
当社は西暦1928年(昭和3年)に現在の東大阪で私の祖父である初代巽丈太郎が漁網を作る綿糸を撚糸する工場を個人創業しました。
戦後、父である巽俊夫が当地奈良県へ工場を移転し、地場産業だった靴下の製造を撚糸工場の片隅で開始しました。
代々、特別な最先端の技術や最新鋭の設備も無い、ただ真面目だけが取り柄の企業風土でした。
しかし、元号が昭和から平成に変わる頃、日本経済のバブルが崩壊し、靴下の生産が新興国へ移行を始めました。
そして、毎年増加を続けたアパレル業界の輸入浸透率(海外生産比率)は、現在99%に達します。
国内生産比率は、1%未満しか残されていない異常な状況に突入しています。
当社は創業100周年をゴールとせず、次の100年も存続するための方策への議論に議論を社内の父ちゃん・母ちゃん・姉ちゃんの3ちゃんで重ねました。
そして、ある結論に達し、企業存続への目途が立ったため2024年4月に4代目として娘の巽美奈子へ事業承継しました。
ある結論とは、当社のお客様に対して『No!』を言う事を決断したのです。
下請工場としてOEM生産をして頃には、お客様だった元請工場の仕入れ担当者より毎日のように無理難題が突きつけられます。
無理難題とは、注文に対して納期が無かったり、利益の出ない価格だったり、過剰な品質を要求されたり、それらが複合されたりしました。
それに対して、『Yes.』以外は絶対言えませんでした。
『Yes.』を言わないとただでさえ激減する注文がゼロになるからでした。
しかし、2020年4月にコロナ禍の第一次緊急事態宣言が発令され、納品予定の完成品は引取が無期限延期。発注は全てキャンセルされました。
今まで、無理難題の要望に長年に渡り必死に『Yes.』と言い続けてきましたが、注文や売上が突然ゼロになったのです。
この存亡の危機に当社も初めて『No!』と言いました。しかし聞き入れられることは全くありませんでした。
企業存続するには、これからは『No!』を言う決断をしたキッカケでした。
そして、厚かましくも2028年に創業100周年を迎え、小さな奇跡をまた起こしたいと計画しています。
それまでまだまだ4年も有ります。
市場環境もスピード上げ国境を越えてグローバルに激変する波は、当社のような零細規模の企業には想像も予測もできない変化で簡単に飲み込まれてしまいそうです。
しかし、その激変する波の潮目を読み、環境と時代の変化を味方に付けて、当社を応援頂く人々に少しでもお役に立たせていただくことで、存続を続けます。
そして、とても幸運な3社の内の1社に選出して頂けるように、これからも誠心誠意毎日毎日頑張って参る所存です。
どうか、これからも小さな靴下工場への応援をよろしくお願いいたします。